Happylight 鎌倉 加美尾花

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

価値ある痛み

第18共徳丸


スタッフのトミーに 「 時間ですね 」 と促され、東に向かい黙祷を捧げた。

小学生の頃、学校の図書室に手垢まみれの
装丁もボロボロな、分厚い一冊の
モノクロームの写真集があった。
子供達には怖いもの見たさもあり、
たびたび友人たちと囲んで見たものだった。
それは原爆投下直後の広島、長崎を撮影した写真集だ。

その時の記憶は強烈で、この写真集は原爆とは
かくも残酷で惨いものかを、僕の心に刻みつけた。



気仙沼市で市街地に残る大型漁船を保存する
市の計画に住民から反発が出ているとの報道があった。
市は後世に伝える意義を強調するが、
船に自宅を押しつぶされる様子を見た被災者らは
「 記憶がよみがえる 」 と撤去を訴えているという。

被災者が存命している、30年後いや50年後に
今回の様な規模の津波が来たとしたら、
皆一目散に高台に走るだろう。
でも100年後、もっと先の300年後はどうだろうか?
80年後にはこの震災を記憶している人間は、
世の中からほとんど消えているのだ。
いまは映像がいくらでも記録されているから、
昔より風化のスピードは遅いかも知れないが、、、

けれどもこの第18共徳丸が震災遺構として
ここに存在(あれ)ば、、、明白だ。

被災者の心情を慮ると色々な意見があるのは当然に思う。
共徳丸を見るたび心痛める被災者の心情も分かるが、、、
けれども家を押し潰したのは船でなく津波だ。

心の痛みと共に生きる。
その事が遠い未来の日本人を多く救えるのだ。
痛みは辛い。
けれどもそれは

価値ある痛みだ。

この船の存在は億の言葉をつくすより雄弁だ。
ぜひとも未来永劫残して頂きたいと思う。



残念ながら共徳丸は撤去されるとの事、、、
関連記事

| Small talk | 20:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://kamiokahappylight.blog.fc2.com/tb.php/385-84b49da5

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT